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自分を労る、“なでるケア”

自分を労る、“なでるケア”

 

季節の変わり目に加え、育児、介護、仕事などで忙しいと、自分を労わる余裕がなくなり、疲れが溜まりやすくなるもの。セルフケアの大切さとコツについて藤原美智子が語ります。

 

 

疲れたら、自分で自分をなで、抱きしめてみる

 

 

――季節の変わり目は、心身ともに疲れが出やすい時期ですが、忙しくて休む時間がなかなか取れないという人も多いですよね。

 

 私の周りでもご両親の介護をしている方が多くて、時間的にも気持ち的にも自分を構う余裕がないという声をよく聞きます。介護以外にも、育児や家事、仕事など日々やるべきことは山積みですよね。でも、どこかで自分のことを労ってあげないと、疲れが溜まってどんどん余裕がなくなってしまう。だから、自分のことを構う余裕がないという人にこそ、少しの時間でいいので自分で自分を労ってあげてほしいなと思います。

 

――どんなふうに自分を労わればいいでしょう?

 

おすすめしたいのは、自分で自分をなでてあげることです。やり方はとても簡単で、手の平を軽く擦り合わせて少し温めてから、首の後ろから肩にかけて、肩から腕にかけて、優しくなでおろしてあげるだけ。服の上からでもいいけれど、できれば襟や袖の下に手を入れて、肌に直接触れた方が気持ちいいですね。最後に深呼吸して力を抜いて自分をそっと抱きしめます。

 

体温を通して触れることで癒され、余裕も生まれる

 

 

 ――なでるだけなら、いつでもどこでもできますね。

 

顔を手のひらで包み込んでもいいし、頭をなでてもいいし、時間がある時は頭から脚まで全身をなでてあげると、さらに気持ちが落ち着くと思います。疲れた時はマッサージや温泉などに行きたくなるけれど、なかなか時間が取れなくて難しいこともありますよね。最終的に自分を労ってあげたり、機嫌をとってあげられるのは自分しかいない。そう考えて簡単なセルフケアの方法をいくつか用意しておくと、気持ちにも少し余裕が生まれるんじゃないかなと思います。

 

 

――美智子さん自身も、なでるケアを日常に取り入れていますか?

 

意識してやっているわけではないけれど、気が付くとなでていますね。ちょっと珍しいかもしれないけれど、私は昔から親しい人の手のひらに自分のあごをのせるとすごく落ち着くタイプ。疲れた時は家族や友人に「ちょっと手を貸して」と言って、あごをのせさせてもらっています()。人の手に自分あごを預けるだけで余計な力が抜けて、すごくほっとするんです。

 

――美智子さんが触れること、なでることの大切さを感じたきっかけはありますか?

 

ヘアメイクの仕事をしている時から、手で肌に触れるという行為には癒し効果があると感じていて。モデルさんを軽くマッサージしたり、スキンケアやメイクをしていると、気持ちよくてみんな寝ちゃうの()。人に触れてもらうのはもちろん気持ちいいけれど、自分自身で触れても同じような効果が得られるはず。忙しい日々のなかで疲れたなと感じた時は、ぜひ自分自身を優しくなでで、たくさん労ってあげてくださいね。

 

 

 

Photo:Sachiko Horasawa
Text:Sachiyo Kamata
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